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コース設計を歪める極端な開発規制
佐藤毅
 

私はゴルフコース設計者、建設技術者として業界の第一線で仕事をしてきたことに誇りを持っている。それはゴルフコースを自分の責任のもとで、思い描いたように創り上げるということに、他ならない魅力を感じたからである。しかし、コース建設は何時も華々しく展開されて来たわけではなかった。私たちがコース建設に危惧を抱き始めたのは、ゴルフ場に対する厳しい開発規制が施行されてからである。この規制は土地利用を極端に縮小させることを目的にしていたからコース建設に歪みを与え、芸術性の強調に大きな足かせとなった。特に山岳地、あるいは開発面積の少ない場所でのコース建設では、規制によって意図するコースが創れず、悔しい思いをしたこともあった。

私はこうした規制に大きな矛盾を感じながらコース建設に携わってきた。規制によって、実態とはかけ離れたマイナスイメージのコースが出来上がる懸念が常にあり、それはゴルフ場経営やコース管理に、直接経済損失を与える大きな不安があったからである。

私は、法規制を受けて建設されたコースの実態や、ゴルフコース誕生までの歴史を知ってもらう必要があると考えている。それによって、自分達が今まで知らなかったコース管理上の問題や、欠点が必ず見えてくると思うからだ。

規制を受けて創られたゴルフコースに、完璧なものは決して存在しない。私達はこうした過去の建設についての反省を含め、未完成な部分のコース完成に向けて、新たにチャレンジすることへの努力を提言したい。そこには多くの問題点が埋もれているはずである。

それは、歴史の古いコースも新設コースも同様であろう。そうした問題点の改良、改善を図り、魅力あるコースに変身させることが、私達に課せられた責務である。

改造工事には莫大な費用が掛かるため中々実現出来ないと言われるが、大規模に改修するだけが改造ではない。コツコツと時間をかけて整備、改良を重ねるのも立派な改造である。

新鮮な空気の流れを阻害するサンドグリーンの床構造

私はコース管理に注文を付けるつもりはないが、最近見かけるサンドグリーンの管理手法に異変が生じていることは気掛かりである。ベントグリーンが主流になりつつある中で、更なるグレードを求めてサンドグリーンへの改修が多くなることも予想される。その意味でもサンド構造の本来あるべき姿を再確認し、コース管理に役立てていただきたいと思う。

ベントグリーンの床土構造を、100%サンドでコースが建設されるようになったのは最近のことで、特にニューベント等への改造に合わせ、床土のサンド化が進んでいる。グリーンのサンド構造は、クオリティの高いベント芝の栽培には欠かせないが、果たしてこうした土壌のあり方を充分認識した上でコース管理が行われているかはいささか疑問だ。

材料として使用される砂の粒径、床土構造の違いが、芝管理に大きな影響を与えることは十分承知の上だが、意外なのはサンド構造の特性を理解出来ていないということである。サンド床土が引き起こす芝管理への影響や勘違いされ易い問題点を探り、実態を知ることの重要性をここで説明したい。

サンドグリーンは透水性が良い、あるいは乾燥が激しいといったことを理由に、必要以上に散水するケースが多く、芝生育に大きな障害を与えている。過度の散水を続けた、床土壌の断面を観察すれば一目瞭然である。散水された水が深層部まで届けば優秀な構造であるが、透水性が悪いサンド床では水の浸透は勿論、空気の流れまでが阻害された状態にある。

散水された水が毎回地層深くまで到達するというのは固定観念であり、散水は思うほど地下深くまで浸透しないことを認識すべきである。深層部に新鮮な空気を送れないと、当然床土の締め固まりが引き起こされる。土壌の固結は散水を全く受け付けない構造と化し、不透水層が出来上がるといった構図である。根の伸長は阻害され、芝生育に大きなダメージを与える原因はこうしたところにある。

サンドグリーンでの管理障害は、砂の材質に問題があると言われるが、決して材質、材料、構造に大きな欠点があるとは考えにくい。むしろ、床砂の種類、構造の違いに拘わらず、サンド床で起きる管理障害の殆どは、人為的ミスが加わって引き起こされている。

サンド構造の仕様に規格はない

グリーン床の構造設計については、コース設計者の意見に委ねることが多いようである。その昔、我が国のグリーン床といえば土を主体にした土壌構造であったが、サンド床の必要性に迫られ、オールサンド構造に移行してきた歴史がある。日本には元々、グリーン構造設計の規格は特になかったが、USGA方式の登場で大きく変革した。今ではUSGA方式が最もポピュラーなものとして、多くのゴルフコースで採用されている。

しかし、独自の理論に基づいた床構造を作り上げるコースもあるようだ。一例として、平らなグリーン床基盤を作り、その上に砂の厚さで勾配を付ける方法や、床砂層を深くしてグリーン床を構築するといったものである。

私は以前から、こうした砂を厚くしたグリーン床の芝管理について、幾度となく足を運び観察してきた。その中で分かったことは、厚い砂が必ずしも芝栽培に適しているかは、大きな疑問だということである。砂は一般的に透水性が高いとされるが、条件によっては反対の作用が働くことも実証されなければならない。

こうしたグリーン床構造で見受ける欠点の一つは、土壌への酸素供給が予想に反して少ないことである。浸透性の良いサンド床構造にも拘らず、空気流通の阻害があることは驚きである。案外見落とされがちなグリーン床の深層構造をもう一度確認し、新たなるコース管理に役立てていただきたい。

グリーン床構造の違いは芝生管理を大きく左右する

私は、グリーン床土構造の改良なくして、ベントグリーン管理は成り立たないことを、身をもって体験してきた。多くの失敗を繰り返し、試行錯誤の中から多くを学び取ることが出来たから、そうしたことが言えるのかもしれない。

少々昔話になるが、私はグリーン床に、赤土と砂の混合土、マサ土、スコリア火山礫、粗砂、砕石粒等々、こうした材料を床土壌に利用して、ベントグラスの芝管理をしてきた経験を持っている。しかし、土壌構造改革のつもりで進めた実験的手法も、見事に期待を裏切られてしまった。使用した土壌の多くは、透水性を全く悪くしてしまうか、土壌の締め固まりが大きすぎて芝管理に大きな悪影響が現れたのである。土壌に酸素が届かないほどの土壌固結は、根茎の伸長は勿論、葉の成長までも不健全な状態にせざるを得ない。当たり前のことだが、こうした土壌で栽培されるベント芝の殆どが、高温期には必ず大きなダメージを受け、クオリティの低いベントグラス管理しか出来なかった。

しかし、こうした実験手法の中でも、砕石粒の床土構造だけは以外な成功を収めた。砕石粒によって構築されたグリーン床の浸透性は抜群である。余りの排水の良さに当初はかなりの苦労を強いられたが、例年繰り返される目砂作業によって蓄積された砂の厚みは、既に20センチを超えている。しかし、数十年の年月を経過したにも拘らず、グリーン床構造は今、生まれたばかりの新鮮さであることが、ベント芝の生育を通して確認することが出来るのである。

グリーンの床構造の違いが与える芝管理への影響を、改めて認識する必要があるように思われる。

 

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