ホームページ
設計者協会主旨
会員名簿
コース設計家の歴史
会員設計家のコース紹介
ゴルフマネジメントへの寄稿
GCAジャーナル
お問い合せ
リンク
会員への連絡
 





気になるゴルフ
日本ゴルフサミット会議
「気になるゴルフ」

やめてくださいスポーツ課税
やめてください
スポーツ課税


JSGCA名誉協力会員
秋山 真邦 著


golmaji20

個人情報保護方針
サイトポリシー

 
 
   
一般個人会員募集 事務局からのお知らせ
21世紀ゴルフへの提言
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2010 June 協力:一季出版(株)
設計者からみたコースランキング
日本ゴルフコース設計者協会
理事 嶋村唯史
 

ここ数年ゴルフ界は宮里藍、石川遼など若いアスリートの台頭が著しく、様々な話題を提供してくれています。同時にスポーツ以外のマスコミ・雑誌などにもゴルフに関連した興味深い特集が多く組まれ、ゴルフ自体をグローバルに幅広くとらえる風潮があります。
中で特に興味を引くものにゴルフ場のランキングがあります。特にコースベストテンは「あのコースがなぜトップなのか」「そんなに面白いコースなのか」「ぜひ一度行ってみたい」などとゴルフファンの注目を集めています。内容を見てもゴルファーのニーズごとにカテゴリーを設定し、レストランならばサービスと料理というように部門別に取り上げ、それぞれの特異点を判りやすくデーター化しています。その結果、一般ゴルファーでも、目的に合わせてゴルフ場を選んだり、幅広くゲームとしてのゴルフを楽しむことが出来るようにもなりました。特にウエブサイトによる最新情報の書き込み等は、ゴルフ場にとって重要な集客ツールになっています。日本にはアメリカのNGF(米国ゴルフ財団)のようにゴルフの動向データを作成・集計し専門的に判断する機関がありませんから、コースランキングは業界関係者にとって現状を分析する上で貴重な資料となっていることも事実のようです。
言うまでもなくゴルフ場はコースが全てです。コース設計者としては、興味本位の単なる人気ランキングと決めつけ、沈黙を守っていればよいかもしれませんが、実際にコースを造った立場にある私たちも心中穏やかではありません。ランキングを見る限りコース自体の評価(評判)が中心でコースはどんな内容か、次に「設計者は誰?」ということになります。またゴルフ場側にしてみれば、なぜうちのコースの評価が上がらないのかという気持ちもあるはずです。そこで設計者の立場からコースをどう見てほしいか、「なるほどそういう見方もあったのか」というようなお話をしたいと思います。

コースランキング

ところでゴルフコースを格付けする発想はいつ頃から生まれたのでしょうか。 一般的にコースランキングは米国のゴルフマガジンとゴルフダイジェスト両誌が2年に1度選考している「世界&米国トップ100選」が有名です。ゴルフマガジン誌の場合、その始まりは1939年アメリカの「ザ・ナショナルゴルフデビュー」という季刊誌(ゴルフマガジン社・ライブラリーファイル)に発表され、それがバーナード・ダーウイン(ゴルフジャーナリスト)、ボビー・ジョーンズはじめ17人のゴルフ有識者によってなされたことが確認されています。当然、当時も多くのクラブから反論があったようです。その後40年近くの空白を経て1979年に「世界のトップ50選」としてコースのランク付はしないで再開されました。そしてこのランキングは評価方法の公平性と話題性で徐々に認知され、今日まで続いています。参考までに1939年(昭和14年)のこのランキングで日本のゴルフ場は廣野GCが7位、川奈GRが51位、東京GC(朝霞)は86位に記録されています。
選者も現代のゴルフマガジン誌では、アメリカを中心にゴルフ界に貢献している人の中から101人の専属パネリストを選び、選考基準に基づいてコースの視察採点をしているようです。

コースの個性とは

その評価の仕方ですが、単なる人気と興味本位の企画とは異なり「ゴルフマガジン」誌では公平性と客観性を前提に、コースの評価基準として(1)ショットバリュー(2)プレアビリティー(3)スコアリング(4)デザインバランス(5)メモラビリティー(6)コンデション(7)美しさ(8)環境などの項目を挙げています。これらは基本的に完成したコースを評価するための項目ですが、もう一つ、我々設計者が参考にするものに無の状態から理想的なコースを造るための基本条件もあるのです。例えば『ゴルフ設計』という本には、理想的なゴルフコースの持つべき13項目の要素が明記されています。これはオーガスタナショナルを設計したマッケンジーが1920年に著したもので、今でもコース設計家のバイブルとなっています。その中のパーのバランス、ルーティングの項の考え方は、ランキングの評価基準(1)(2)(3)策定の根拠にもなっています。
コースを設計する場合多くの設計者はより個性的なコース作りを考えます。人を惹き付ける魅力、それは一貫したコンセプトの継承とコースデザインに反映された特徴だと思います。このコースの特徴が記憶に残り、さらにそれらがゴルファーに感動を与える魅力を持っているか、つまり芸術性があるかが重要なのです。ご承知のように、独特でかつ強烈な個性をもつパインバレーの印象は特異性の中でも特に際立っています。レーダーチャート(くもの巣グラフ)のように、コースはオール5の綺麗な定型が必ずしも良いとは限りません。言い換えれば完璧なゴルフ場が良いコースの条件ではないということです。ゴルフコースは歴史を経ることで、作品全体としての一環性と、その中に隠されている個性が徐々に浮き出てくるのです。ここに永遠のテーマであるコースは生きているという発想と、それを如何に守るかという改造の理念が垣間見えてくるのです。

アリソンの与えた衝撃

ここでアリソンと赤星六郎さんとのエピソードをお話しします。
アリソンは日本のゴルフ草創期の1930年に来日し、「コース設計の概念」を日本に初めて持ち込み、その後残ったフォアマン(現場監督)のペングレースが実際に施工し、本場のゴルフ場造りのノウハウを伝授しました。
当時日本のゴルフソサエティーの中心にいてアリソン滞在中、常に行動を共にした赤星六郎さんは、彼の設計図とペングレースの本場のゴルフ場作りを初めて見て、こう感想を述べています。「立派なコースとは、如何にコース全体をまとめ上げるか、そこには設計者の風格も芸術もにじみ出るものである」(ROKUROU AKABOSHI ARCHIVESより)。直に朝霞コース(東京ゴルフ倶楽部)の造形を見たときの驚きと、日本に一流コースが生まれる喜びがこのような表現になったようです。まさにアリソンの天分に驚き、「コースとは芸術である」と言う認識を、当時のトップリーダーは確信したのだと思います。

ゴルフコースとは

本誌でコラムを連載中のゴルフ史家の大塚和徳さんはゴルフマガジン誌でランキングのパネリストをしておられます。私も海外事情などよく教えていただくのですが、氏が毎年世界のコースを回っていると目的のゴルフ場の周辺に隠れた名コースを発見することが多々あるそうです。それらのゴルフ場を推薦しても集計という結果、なかなか陽の目を見ないと苦笑していました。コースのことは「生い立ちも含めてゴルフ場が存在する地域の熱心なゴルファーに聞くのが一番だ」とも仰っていました。
例が適切ではないかもしれませんが私はコースにランクを付けるということは、絵画に例えるならば印象派のビンセント・ゴッホ、キュビズムのパブロ・ピカソの絵と、雪舟の水墨画に格付けするようなものだと思います。それぞれ異なる画風の芸術性は高く評価され、見る人の好みも人それぞれ。本質的に絵と異なる点は、ゴルフコースが生き物だということです。ですからランキングには文化遺産のように永遠に残すべきゴルフ場は何処かという、テーマも隠されているのではないかと思うのですがいかがでしょうか。とにかく今は世界にゴルフ場が3万以上あるといわれる時代ですから、コースランキングも興味と話題性の範囲にとどめておきたいものです。

 

掲載順不同
クリックすると各コースの情報ページが表示されます。
詳細は各コースにお尋ねください。