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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2014 Dec. 協力:一季出版(株)
第18回 札幌南ゴルフクラブ駒丘コースの巻
 

原設計/ 陳清水
改造設計/ 川田太三

これまでゴルフ場がコース改造に取り組む様々なファクターを見てきた。2グリーンの1グリーン化も含めた戦略性の見直し。グリーンの芝の変更。また自然環境やゴルフ事情の変化に対応させること。オープン当時は若々しかった会員諸兄も高齢化する。こうした中でゴルファーに愛され続けるコースをどう維持していくか、ゴルフ場が予算と時間をかけたコース改造に踏み切る事情を探ってきた。
一つのモデルとして注目したいのが札幌南ゴルフクラブ駒丘コースである。

オープン50周年をめどにイメージチェンジを

札幌南ゴルフクラブ駒丘コースは札幌中心部より車で25分という抜群のロケーション。オープンは昭和41年。前の東京五輪の2年後だ。オープン当初は定山渓カントリークラブとしてスタートしたが、8年前に実情に合わせるべく名称を変更している。
北海道のコースとしては自然の丘陵地を生かしているだけに高低差はあるものの、往年の名手・陳清水の設計と恵庭岳から余市岳まで近郊の山々を一望できる景観と相俟って球趣を高める味がゴルファーの人気を集めている。
もっとも50年を経て、この高低差を放っておけない時期にきていたようで、同コースの穐宗征寿支配人は「面白いコースと定評はあったものの会員の方々の高齢化が進み、従来の歩きプレーではきついという声が上がりまして……」という。高齢者にとってアップダウンはゴルフ本来の楽しさを奪うことになりかねない。
コースで検討した結果、安全性やメンテナンスを考え5人乗りの電磁誘導カートを導入することとなった。「カート道路の設定と、同時にレディスメンバーからは難しすぎる一部ホールのレイアウト変更について川田太三氏に監修を依頼。3年計画でデザインの変更を兼ねた改造に踏み切ったわけです」(穐宗支配人)
川田氏といえば道内のコース設計もいくつか手がけており、また全国の丘陵地に数多くのコースデザインをして高低差をハンデとせずに積極的に利用したコース造りに定評がある人だけに、札幌南ゴルフクラブ駒丘コースの改造プランナーとしてまさにうってつけの人選といえる。
まずはカート道路の設定について川田氏に聞こう。「北海道というと雄大でフラットなコースをイメージしがちだが、ここのアップダウンは日本のスタンダートと言ってよく、むしろ造形美でいえばちょうど良い。ただし歩行プレーでの体力的負担をどこかで吸収してあげることは必然の成りゆき。それはレイアウトの工夫であったり、コンベア、モノレール導入など設計者の知恵の絞りどころ。当コースの場合には5人乗りの電磁誘導カートの導入となったわけでベストのチョイスと思い依頼を受けました」と語る。
すでに出来上がったコースにカート道路を組み込むことはかなり難しいように思えるが、川田氏は「なるべく目立たないような工夫が必要。例えば左が高く右が低い場合、左斜面の裾野に通してはダメで、低い右サイドに周囲の景色に溶け込ませる。低くして水道(みずみち)にしてしまう。ただし何本かはホール内でのサイドの変更が必要になることもあるが、その場合には横切ることを恐れずに大胆に設定したい」と語る。
フェアウェイを横切るカート道路の設定には二の足を踏んでしまいそうだが、それが全体のバランスを考えた場合、景色に溶け込ませることになるということか。

ティグラウンドの位置と向きでホールが劇的に変わる

支配人が語っていたレディスメンバーの声にはどう対処したか。「3番、7番のパー3が懸案のホールでした」(穐宗支配人)ここで川田氏がとった方法は実に合理的なものだった。元々のレイアウト、景観を生かしながら、ホールのイメージを劇的にチェンジしたのだ。
3番パー3は15mの打ち下ろし。池越えでフルバックから200ヤードを超える。
「戦略的なフルバックはそれとしてレギュラーティ、レディスティがグリーンに向かって直線的に並んでおり、手前バンカー、栗の木、池がすべてかかってしまう。そこでレギュラー及びレディスを大きく左サイドに寄せ、とくにレディスティは攻略ラインからバンカー、栗の木、池が外れ、花道が利用できるようになった」(川田氏)
この変化にレディスの評判は上々で穐宗支配人も「易しくなったというより優しさが出たと好評です」と歓迎する。これまで脅威でしかなかった池や栗の木が美しい景観に変わったのだ。
7番パー3はどうだろう。「ティグラウンドは日当たりが悪い上に3面しかなく管理上苦労しましたし、またプレー面でもグリーン周りを生かしていなかった」と支配人。川田氏は大胆な発想で処理した。ここは東から西に打っていくホールでグリーンはかなり手強い。当初のティからは左サイドが崖越えとなり手前の左右バンカーも効いていて難しいホールだった。「日当りのことも考え三つのティグランドを右サイドに移し、右サイドのカート道路をレギュラーティの後方から迂回させ左に。レディスは思い切ってかなり右サイドに移し、この結果崖越えのイメージはなくなり、左手前バンカーからのプレッシャーも薄らいだ。両サイドバンカーの内側の端も埋め、花道が広く使えるようになった」と川田氏。結果は3番同様、レディスの評判も上々。
このようにティグランドを変化させることによってホールは劇的に変化する。1番のスタートホールもティを右に寄せることで「向かいの法面に打って……」という味気ないスタートが面白くなった。
改造は進んでおり、2年後の50周年にはどんなイメチェンを果たしているのか。低予算で劇的なイメチェン。札幌南GC駒丘コースの試みが注目されてならない。

(文責・井口紳)

 

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