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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2004 Jan. 協力:一季出版(株)
ゴルフ場を活性化したい
大西久光

ゴルフコースの将来像
私たちゴルフ場の設計者は、新しいコースの建設がストップしている現在、何をするべきか。
 
バブル時代に計画され、建設されたゴルフ場が1990年以降、約600コース開場し、供給過剰になった。需要(プレー人口)が急激に減少したというより、供給過剰が現在のゴルフ場経営を苦しくしている。というのもプレー人口は90年と比較しても10%程度しか減少していないからだ。また、プレーフィが安くなったので、プレー人口の減少以上に単価下落が経営を圧迫していることは間違いない。ゴルフ場の平均売上高を見ると、半減しており、少々のリストラでは耐えられない。この売上高減少の最大の原因は、交際費によるゴルフの激減である。私の試算ではゴルフ界に入っていた交際費が5500億円は減少している。ゴルフ場に入る交際費だけでも4000億円以上の減少だと推定できる。日本のゴルフは明らかに社用ゴルフからプライベートゴルフに変革しているのだ。その意味では欧米のゴルフに近づき、スポーツとしてのゴルフへと変身し、本物のゴルフへと成熟していくスタートを切ったといえる。私たちはこの変化をしっかりと受け止め、「プライベートゴルファーが何を求めているか」を真剣に考え、ゴルフ場はその対応をしっかりと進めることが求められている。
 
これらをゴルフ場経営者に助言できるのも設計者ではないか。ゴルフコース設計者はコースを開発する以前から経営者の相談にのり、開場後の運営についても助言する場合が多い。バブル時代には高級接待用のゴルフ場を開発することが多く、今のニーズに合わないことも多い。それでは如何に手直ししていくか。これもまた設計者が知恵を絞らねばならない。それぞれのコースの個性によっても異なるが、低価格にするなど、プライベートゴルファーのニーズに応えなくてはならない。一方、当然ではあるが、ゴルフ場経営が成立することは不可欠である。最近ではキャディは不要と言うゴルファーも増えてきた。キャディフィは高くても、決してゴルフ場が儲けているわけではない。むしろ乗用カーのセルフならゴルフ場側の負担も少なくなる。欧米でキャディを付けることはまれであり、贅沢なことだ。本来ゴルフは『自分のことは極力自分でする』という原則もある。セルフにして困るのは、コースが傷むことであろう。特にディボット跡を直さないことやグリーンのボールマークが放置されることなどだ。しかし、これらのマナー改善もゴルフ場の仕事といって良い。私は55年にゴルフを始めたが、当時のゴルフ場には、厳しくマナーを指導してくれる先輩が必ずいたものである。お金さえ払えば、何をしても良いというゴルフはそろそろ終りにしなくてはならない。今でも広野ゴルフ倶楽部へ行く時は行儀が良くなるゴルファーが多い。そのゴルフ場のもつ雰囲気がそうさせるのだろう。一部のゴルフ場だけではなく、多くのゴルフ場に良いマナーが戻れば、ゴルフのイメージは素晴らしいものになる。プライベートゴルファーに対応するためには運営面で改善しなくてはならないことも多いが、ここでは今後のコース改造について、設計者としての、私の意見を述べてみたい。
 
・ゴルフクラブやボールの進歩でコースの距離が問題になっている。しかし、この問題はプロゴルファーやトップアマが参加する公式戦で取り上げられている問題だ。全世界のゴルファーでわずか0・1%のゴルファーの問題であることが忘れられている。プロの場合、数年前の7200ヤードに匹敵する距離は8000ヤードだと言われている。そんな改造は不可能だし、もしそんなことをしたら、過去の名コースはどうなるのだろう。一般ゴルファーは6100ヤード前後で十分だし、上級者でも女子プロ大会の6500ヤードであれば、十分すぎる。それでも物足りない人は長くてタフなコースでプレーすれば良い。長くてタフなコースがチャンピオンコースだと考えている人もいるが、世界のトップ20コースにはパー70や71のコースが半分あることを認識すべきである。むしろ、長いコースより、将来の女性ゴルファー増加を考えると5200ヤード程度のレディスティを作るべきだろう。
 
・グリーンの形状にも大きな変化が起こるだろう。ゴルフゲームの歴史的な変化の一つはグリーンのスピードが速くなったことである。

芝の改良、管理の進歩、芝刈り機などの改善などにより、劇的に速いグリーンが増えている。それになれたゴルファーにとって、遅いグリーンではゴルフをプレーした気持ちにもならない。そのためには近代的なグリーンの構造は不可欠となる。また、速いグリーンではホールロケーションがあまり取れないグリーンが増えてくる。従って、将来は比較的小さくて、フラットなグリーンが求められるだろう。ツウグリーンは論外である。管理上も二つより一つの方が安くつき、コスト節減につながる。

 
・バンカーについても変化が必要である。バンカーは過去の障害物だと思う。近代ゴルフではボールが高弾道になり、上級者にとってバンカーを越えて止まる球は難しい技術ではなくなった。プロの場合にはバンカーからのパーセーブも50%前後である。つまりバンカーは今や初級者いじめに過ぎない。セルフプレーの多いコースではグラスバンカーなどに変えたほうが、管理上も喜ばれるだろう。
 
・バンカーに変わる障害物は大木である。木は垂直ハザードになり、これを避ける技術はプロにも難しい。しかも、皮肉なことにクラブやボールの進歩で今ではインテンショナルなフックやスライスが難しくなっている。
 
・カート道路は今後の重要なテーマになる。乗用カーでプレーをしたいゴルファーはさらに増えるだろう。そこで美観を損なわず、便利で、しかもコース保護に役立つ道路の設計がまさに設計者の大きな仕事になるだろう。
 
・的確なルールの対応は楽しいゴルフのためにとても重要である。日本では開発許可の難しさから、ゴルフコースとしてはふさわしくない設計を強いられることもある。そのため、ホールの両側がOBだったり、隣のホールとの間までOBになったりしてしまう。本来のOBはゴルフ場の区域外を意味している。従って、ホールとホールの間がOBというのはどうも納得できない。ブッシュハザードなどの適用を考えるべきではないか。しかしこの議論をすると、必ず出てくるのは「判定が難しいからOBにしてしまおう」との意見である。これは「自らルールを守る」というゴルフ精神に反しているのではないか。ゴルファー本人の良識を信じなければ、ゴルフではなくなってしまう。ズルをする人は放って置けば良い。
 
・プレイング4はとても気になるルールである。ジェネラルルールにはペナルティを払ってもホールカップへ前進できるルールはない。ピンへ近づくためには必ず自分のクラブヘッドでボールを打ち、前進するのがゴルフである。どうせこの池は越えないからといって、ボールを打たずにプレイング4へ行った人もいるが、欧米のゴルファーが見たらなんと言うだろうか。
 
・プラクティスレンジ(練習場)はゴルフ場にとって大切な設備だが、特に、日本ではショートゲームの練習をする場所がない。必ず、「練習グリーンではアプローチ禁止」と書いてある。日頃練習できないショートゲームの練習ができてこそゴルフ場だと思うのだが。
 
まだまだ欧米の「スポーツとしてのゴルフ」とは大きな違いがあるが、たとえ日本的であったとしても、ゴルフ精神を失わないという原則だけは不可欠である。「他人に迷惑をかけない」というゴルファーズスピリットを大切にしたゴルフ界にしていきたいものだ。
 

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