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21世紀ゴルフへの提言
月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2005 October. 協力:一季出版(株)
ゴルフ場施設が地域、環境に果たす役割(1)
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 佐藤 毅
 

経済成長がゴルフブームの幕開けとなった

1903年、日本に最初のゴルフコース・神戸GCが誕生して102年の歴史を経た。現在、国内には2363のゴルフ場(ゴルフマネジメント誌調査)が存在していることを見れば、一世紀あまりのわずかな期間に、凄まじい勢いで日本全国にゴルフコースが誕生したことになる。

ゴルフの起源を辿れば、700.800年前にスコットランドで発祥した説と、オランダからの渡来説との両論が文献に残されているが、その真相を解明するまでに至っていない。世界ゴルフ史には1457年頃、当時のスコットランド国王(ジェームス2世)が布告したゴルフ禁止令が、最も古い記録として残されているが、わが国にゴルフ文化が持ち込まれるまでの道程が、如何に長きにわたる歳月を要したかを知ることができるだろう。

国内でのゴルフブームの火付け役は、1950年代の後半、日本で開催されたゴルフワールドカップでの日本チーム優勝の快挙であった。ゴルフという言葉を知る人すら少なかった時代に、初のテレビ中継によるゴルフゲームの醍醐味と、ステイタスを目の当たりにしたことが、ゴルフの新しい文化を誘い入れる大きなコマーシャルにつながったことは間違いない。1940年代には僅か64コースしかなかったゴルフ場だが、60年代には全国で200コース以上も誕生している。その後を追うように、次々と新しいゴルフ場計画が打ち出されたのもこの頃である。ゴルフ場建設が盛んに進められた背景には、高度経済成長による景気の後押しが最も大きな要因とされたのも事実である。又、ゴルフ場建設が手創りと言われていた時代から、大型機械施工に移行するようになってから、大型の土木工事をもろともしないスピード化が、全国に多くのゴルフ場を誕生させる起爆剤になった。追い風を背に続けられたゴルフ場建設もバブル終演と共にその数は激減したが、80年代後半までには2100ものコースが誕生するに至り、2363のコース数は世界でも有数なゴルフ大国として成長を遂げた歴史を物語っている。

緑地保護と生態系維持を持ち合わせる

ゴルフ場は環境を維持するうえで、欠かせない施設である。ゴルフ場の存在は地域環境保護をはじめ、動植物の生態系保護にも欠かすことができない緑地空間であると言っていい。広大な敷地面積の殆どは自然林や造成植林などの複合森林によって形成され、森林以外の空間の殆どは芝生が緑地形成をしている。こうした施設は地域環境保護に大きな役割を果たすばかりか、緑化保護と緑化環境を守り続けることへの重要な役割を担っている空間であると言える。

ゴルフコースは多くの残存森林を共有し、多種にわたる樹木植栽、芝生の地覆緑化によって大規模な緑化空間が誕生している。ゴルフ場によって日々続けられる自然環境整備への努力こそが、人間社会へ貢献を果たすばかりでなく、動植物たちの生態系維持に多くの恩恵を与えているはずだ。ゴルフ場の存在によって生み出される環境保護への営みこそが、地域社会へ還元される意義深いものを創くり上げていると言ってもいい。

ゴルフコースでは膨大な費用と多くの人材を登用し、緑化環境を整備する為の惜しみない努力が続けられている。自然環境を保護する上で最も重要な役割を担っているのが、こうした維持管理の努力なのである。専門技術を駆使した惜しみない努力があるからこそ、ゴルフ場のすばらしい環境と自然は守り続けられる。今でこそ過去の風評は耳にしなくなったが、一時期ゴルフ場は偏見による批判に晒された。環境保護とゴルフ場開発の意見の対立により、「環境破壊や乱開発から自然を守ろう」と主張する一部の理解ない人達によって悪の代名詞のごとく扱われた。しかし、完成し今に残るゴルフ場の姿を見れば、開発によって破壊も被害も全く与えなかったことは一目瞭然である。

ゴルフ場開発が盛んに行われた時代には、開発行為そのものが環境破壊を招くと批判され、邪悪な風評を広めるもととなったが、冷静さを取り戻した今日だからこそ、私たちはもう一度環境破壊と自然保護について、あるべき姿と問題点を提起する必要があるのではないか。「人が手を加えることによって守られる環境」と「自然を放置することによって引き起こされる環境破壊」という正反対の状況を私たちは学ぶ必要がある。

森林荒廃が生み出す環境破壊

私たちがここで提言しなければならない重要なテーマの一つは、急速に進む森林荒廃にどのように対処するかである。この森林荒廃は、林業衰退によって生まれた管理放置が原因とされるが、管理放棄された森林は、動植物の生息環境や居住環境を失い、また阻害するということを知る必要がある。管理が通常的に行われるゴルフ場とは違い、管理放棄で荒廃した森林原野は環境破壊の最も大きな要因なのである。

森林荒廃は動植物の生態系を崩壊させるだけでなく、土壌も粗悪な環境に変える。土壌荒廃は土砂崩壊の原因を作りだし、災害発生の危険性を高める。このように荒廃する山林は、環境破壊や危険と隣り合わせにあることを知る必要がある。その管理放置に対する対応こそ解決すべき重要課題の一つであり、早急に策を講じなければ日本の森林破壊は更にエスカレートし、取り返しのつかない事態に追い込まれるのは明白である。

森林の荒廃は人間社会に影響を与えるばかりではない。森林荒廃はすべての生態系に影響を及ぼすが、荒廃した環境を追われた小動物の憩いの場になるのがゴルフ場である。環境の整ったゴルフ場の緑地空間こそ、彼らにとってはこの上ない安らぎの場になることは間違いないだろう。昆虫類を狙って鳥類が集まり、これを追って小動物が集まるといった生態系ができあがり、そうした環境がゴルフ場にはある。ゴルフ場の広大な緑地空間は人間社会だけに与えられた空間ではない。共存共栄を図ることができるこうした施設こそ、永遠に守り続けられるべき貴重な施設であるはずだ。

環境整備を目的に設計されるゴルフ場

ゴルフコースは地域社会の環境整備をするうえに大きな役割を果たしているが、地域環境の改善をはじめ、環境破壊防止を目的にしたゴルフ場建設が行われることも珍しくはない。

ゴルフ先進国のアメリカでは、土砂流出によって引き起こされる災害危険のある地域であるとか、荒廃によって環境被害が予測される地域などでは、緑化創出と環境保護を目的にしたゴルフ場建設が行われることも少なくない。そうした地域では、州政府が全面的にバックアップして開発を促進する場合が多く、環境緑化に掛ける勢いのすごさを感じ取ることができる。例えば、土砂流出によって引き起こされる災害の危険防止であるとか、大雨洪水から地域、居住者などの安全を守る為に建設されるゴルフ場もそのひとつである。環境の改善を目的に建設されるゴルフコースの中には、集合住宅が併設される場合もあれば、プレー料金の安いパブリックコースの建設も少なくないことである。住宅の周りには羨ましい限りの緑溢れる芝緑地が存在し、人間社会に恩恵を与え、地域環境を保護する上で必要不可欠な自然環境がゴルフ場にあることである。

そうした意味でゴルフ場は、環境保存区域としての機能を充分備えた緑地施設であることは勿論、環境維持のためにも守り続けられるべき施設の一つなのである。

 

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