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月刊ゴルフマネジメント Architect's Corner  2005 Dec. 協力:一季出版(株)
日本これからのメンバーコースの運営について
日本ゴルフコース設計者協会
副理事長 小室 嘉彦
 

ゴルフ場が過剰な負担としてかかえていた預託金や負債を民事再生法などにより減額し、事業性を導き出せるだけのものに置き換えることが行われるようになっています。それでも経営が苦しく、集客増を計るための手段として、メンバーもヴィジターも利用料金として格差がほとんどないようなゴルフ場が出て来ており、メンバーとしての意味合いを失いつつあるコースも少なくありません。

それらの視点から、今後日本におけるメンバーコースの近未来のあるべき姿を、もう一度考え直す時期に来ていると思われます。

バブル経済に後押しされた預託金制度の会員権が投機の対象として流通したため、会員は過度な預託金を拠出するに至り、経営者側は集めた金を会員のために使用しあるいは運用するという義務を怠り、会員側も投機的要因を重要視して、預託金が正当にゴルフクラブ運営に使われているかのチェックを怠り、結果バブル崩壊で資産価値が暴落し、同様に暴落した預託会員権もゴルフ場そのものも、今度は異状と思われる程の低い価値判断で売買されるようになってしまいました。

メンバーコースというものは本来、土地買収から造成まで費用を会員が公平に分担するべきものですが、それは大きな負担なので、欧米でもある意味でスポンサーやメンバーの核となる有志が、イニシャルコストの一部あるいは全部を負担し、運営コンセプトとどの様なコース創りをするかを決定し、集まった同志であるメンバー達も運営の責任を担い、運営費が不足した場合は年間で均等に必要な経費負担をするのが本来の姿なのです。

かつてメンバーコースのあるべき姿を求めて、ゴルフ場作りにまい進された方の仕事をお手伝いしたことがあります。

今から約35年程前、日立製作所の協力会社であった高木工業の高木社長は、たまに私の父と2人で旧軽井沢でゴルフを楽しんでいたものですが、東京近辺でメンバーコースに入りたいというので、府中カントリーをお世話したものです。しかし、メンバークラブとして満足されず、それではということで今度は小金井カントリーを紹介しました。

社長は小金井でも満足されず、自分が考えていたメンバーコースというものは、基本的に欧米に存在するサロンの機能を持っているべきだ、と言われました。それではご自分で作るしかありませんねということで、千葉に作ったのが、ゴルフ倶楽部成田ハイツリーだったのです。

成田ハイツリーを作るにあたっては不動産屋さんの地上げ作業とは別に、高木社長自身が私や今の社長である田口氏を従えて、3年間程毎年最低200日以上、現地の方々に同意を得るため地権者廻りをしたものです。

そして土地購入のため、所持しておられた習志野の土地1万2千坪、木更津にあった2万坪、そして成城学園1600坪の土地を処分して資金をつくりました。

日本に於ける土地事情の中では、ゴルフ場作りというのは異状に莫大なお金がかかるという事情もありましたが、高木社長は一般募集した預託金をすべて、造成費用とその当時としては破格な植栽に費やされました。このように純粋にメンバークラブを作ろうとすれば、誰かがパトロンとして名乗りを上げるか、自分自身で身銭を切る、あるいは昔小金井カントリーなどが行ったように、メンバー達が応分の拠出金を出すしかありません。当然、コース設計についても、高木社長のクラブ運営のビジュアルとコンセプトに基づいて、十分な話し合いと検討がなされたことは言うまでもありません。

前述のようにバブル期においては、土地買収と造成及び建築費に、今では考えられない様な大きな費用が課せられていたわけですが、現状のゴルフ場ビジネスは年間の売上げから換算すれば、投下出来る費用は10.15億円位が妥当なところとなっています。だとすると日本の現状で新しいゴルフ場を作り所有することは、土地買収費と工事費を考えればビジネスとして絶対に不可能だといえます。

従って、今、外資などが中心になって、資本と経営の分離形態で新しいゴルフ場ビジネスに乗り出し成長させていますが、その背景には少なくともゴルフ場を所有する形としては、集めた預託金を他の事業などに流用することの無かった善意の経営者達の犠牲の上に、成り立っているといっても過言ではありません。

この様に日本ではゴルフ場がビジネスとしては、本来あるべき姿で再スタートを切った訳ですが、経営という意味では経営側、会員側ともに更に改善すべき余地が残されています。その中でバブル以後築かれたゆがんだゴルフ文化というものも、正しく理解される様改善されていかなければならないと思っています。

私的な立場から言えば重要なファクターのひとつとして、ゴルフコースの設計、デザインというものを一般ゴルファーももう少し認識して貰いたいものです。

我々の先輩である金田武明氏が、「コース設計者を知らずしてプレーしているのは、著者を知らずして小説を読んでいるのと同じだ」と言われましたが、特にメンバーコースにおいてこの言葉の意味するところは大きく、スポンサーあるいはメンバー達の意図に見合うコース設計が施されているか否かは、本来メンバー構成の上からいっても重大な要素となっている筈のものです。

設計者からの提言としては、メンバーコースとして設計コンセプトを導き出すにあたって、大きく2つに分けられると思います。一つは純粋にサロンの機能を持ったオーナーあるいはメンバーの意図する運営を追及するものと、もう一つはそれらの機能を持ちながらも、ビジネスとしての経営が優先されるコースであります。

メンバー主体の運営であれば、成田ハイツリーのようにスタート時間などもいつでも好きな時にティーオフ出来ることであったり、クラブハウスの作り方も、メンバー相互の交流のため、真にサロンとしての機能を持っていなければなりません。

そして、コース設計デザインもメンバー達の意図によって、ゆったり楽しくプレーする、あるいは忍耐と試練を要求する、はたまた挑戦欲と勇気をも喚起するといったように、それぞれにメンバー総意のコンセプトをしっかり持っていなければならないと思います。一方ビジネスを重視するメンバーコースとしてはコンセプトも大切ですが、一定の集客をはからねばならないので、一般的には一定の時間内で18ホールを消化できるレイアウトとデザインになっていなければなりません。

過去の日本では、経営者側のコンセプトと、設計コンセプトを合わせるということが、たいへん少なかったと思われます。

前述の成田ハイツリーは、本体の高木工業の倒産によりゴルフ場も消滅の危機にさらされましたが、高木社長の理想とするクラブ運営の理念を理解されていた有志のメンバー達の、長期に亘る不断の努力と戦いによって、日本では初めての匿名組合契約方式という提案がなされ、運営者サイドと会員が一体となり、真の「会員の、会員による、会員のためのゴルフ倶楽部」としてよみがえり、結果として高木社長の理念が守られました。これから再生に入るゴルフ場の参考にするべき良い事例と言えます。日本にこれから新設のメンバーコースが建設されることはほとんどないでしょうが、ゴルフ界に於いてあるべき姿、文化が根付いていくために、ゴルフコース設計者としては、更生されるゴルフ場の良き一事例であり、ゴルフ場の運営形態のみならず、それに見合うコース改造などがなされることを望んでいます。

 

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