日本ゴルフコース設計者協会は、1993年6月に加藤俊輔初代理事長や、金田武明二代目理事長が中心になって設立されました。今年が10年目であり、来年の6月で満10年を迎えることになります。
そこで、協会10周年記念事業として、協会会員によるパネルディスカッション「日本のゴルフは間違っている」を企画いたしました。
※パネルディスカッションは2002年10月1日に行われました。【詳細】 |
日本のゴルフ界は、今まさに再生のための努力をしています。ゴルフ界再生のためには、ゴルフのグローバルスタンダードを見直す必要があります。このパネルディスカッションを通して、日本のゴルフと欧米のゴルフを比較して、異なっている点を明確にし、改善すべきは改善していくようなことができればと、念願しています。
日本のゴルフの現状を次のように見ています。
1. 需給環境の悪化
1990年のバブル最高時と比較して、ゴルフ場数が136%と、約600コースが増加したのに対し、ゴルフ場延べ利用者数は、95%と約500万人減少した結果、1ゴルフ場あたりの、利用者が70%に減少しました。
2. 社用ゴルフから、プライベートゴルフへの転換
日本のゴルフは、1953年(S.28)頃から、ブルジョワスポーツといわれ、経済界のトップビジネスマンたちによって盛んになりました。その後も、経済成長に沿って右肩上がりを続け、1973年(S.48)のオイルショックで、一時停滞したものの、バブル最高時の1990年でとどまらず、1992年まで伸び続けました。しかし、バブル崩壊とともに、企業交際費が右肩下がりとなり、プライベートゴルファーへの転換が進んでいます。
3. プライベートゴルファーへの価格
日本では、社用価格とプライベート価格の二重価格が常識になっています。たとえば、社用とプライベートでは、使うレストランが違うことなどがそれを物語っています。ゴルフも、プライベートゴルファーに対応するためには、すでに多くのゴルフ場で実施されているように、低価格化を避けることはできません。
4. 外資系ゴルフ場経営の参入
欧米のゴルフ場は、当然のことながら、プライベートゴルファーを対象に経営、及び運営をしていますから、これからの日本のゴルフに適した運営をしていくことでしょう。日本のゴルフ場もプライベートゴルファー対応の経営に切り替えるべきです。
5. ゴルファー自身の意識改革
良くも悪くも、日本のゴルファーは、社用ゴルフの中で育ってきました。プライベートゴルフに変化する中で、ゴルファー自身が意識改革を迫られています。たとえば、バンカーの砂を直し、ディボットの跡を修復するなど、キャディーに任せるのではなく、できるだけ自分ですることが求められます。
このパネルディスカッションよって、これらに対するヒントが示唆され、少しでもゴルフ界再生に結びつくことを願っております。
理事長 大西久光
|