ゴルフコースの改修、改造は新設コースを造るよりはるかに難しい。設計者の技量が表れるからだ。一つのホールだけの改修に見られる突出した改修によって18ホール全体のバランスを壊し、1ホールだけ異なった色に変化させることは手法としていただけない。改修も改造も全体のホールにおよぶ場合を除いては、残される部分との調和が大切で、むしろ変化が感じとられない仕上がりが大切だ。
今日、日本の特色とされたダブルグリーンのシングル化は当然の経緯で、改造の中心がこのあたりにあるとすれば、むしろ遅い判断といえる。まして、今後もダブルグリーン・システムのコースの存在を続けるコースによいコースはない。
私は平成16年度のジャパンオープンが決定している片山津ゴルフ倶楽部白山コースはグリーンのシングル化をし、ニューベント使用を中心に、全体を改造した好例として取り上げた。ルーティングまでも一部変えるほどの大改造に賛成された高い理念を持った倶楽部に敬服している。
国際的ルールや形にまとまることが、真の日本ゴルフの発展に寄与することと信じているからだ。
全ホール改造のポイントは、(1)旧来の特徴あるトラップの造形を生かして改造、(2)14番と15番ホールの入れ替え、(3)17番ホールグリーンサイドに水面、(4)18番ホールの70ヤード延長、(5)旧来のホールナンバーをチェンジ、である。図面は17番グリーンとその周辺の改造図である。水面を左サイドに入れ、グリーン右下に3個のバンカーを新設した。
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