もともとが名匠・上田治氏の地形を生かしたワン・グリーン(高麗芝)だが、ニューベントに改修する工事だった。
USGA方式のサンド床として納得いくコンディション造りのため完全サブエアシステムを取り入れた。これはオーガスタ・ナショナルで考案されたもので、地下の排水パイプから空気を排出、及び注入することにより、余分な水分や芝の根、刈りカスから発生する二酸化炭素などのガスを強制的に除去し、そして酸素の供給をするのが目的である。
結果として冬はグリーンを温め、夏は冷やす効果もあって減農薬にも生かされることになった。日照と風通しが大切なため、ホールとホールの間やグリーン周囲の樹木は思いきって間伐していることも大事なポイントになると思う。一つの例として15番ホールをモデルケースとしてあげてみた。
グリーン面は2.5から3%のアンジュレーションを取り入れたが、そのときどきによってパッティングの難易を調節するためである。
改造は男子トーナメントの開催を考慮してティを追加、全長7,270ヤードとしたが、アベレージ・ゴルファーがティの選択もできる増設を行った。クラブやボールの現在の進化にともなう距離の延長はもちろん、IP地点のフェアウエイ幅の調節、修景美を兼ねたバンカーの改造など大幅な手を加えたコースとなった。 |