日本ゴルフコース設計者協会
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改造・設計例Renovation Design examples

房総カントリークラブ 東コース

所在地:千葉県長生郡睦沢町妙楽寺2300

Phone:0475-43-0111

コース:18holes、Par 72

開場日:1975年11月29日

設 計:各務 鉚二 改造設計:海津 康志

1975年開場。東西36ホールと大上ゴルフ場18ホールの大型クラブ。
東コースは2007年に高麗とベント芝ツー・グリーンからベント・ワン・グリーン化改造の工事を実施した。
「コース改造設計は音楽でいえば、原曲を編曲するようなもの。オリジナルを壊さず、現代に対応したモノに造りかえる作業。コスト面を考慮して、ワン・グリーン化には営業しながらの改造工事となった」と海津康志氏は語る。
高麗芝のグリーンを撤去し、平均550㎡のメインのベント・グリーンの原形を中央寄りに250㎡程度拡張して、反対側を100㎡程度削るという工事。平均750㎡のニュー・グリーンに仕上がった。ニュー・グリーンはホールの中央に現れ、高麗グリーンの跡地にはバンカーやハロー(窪地)を置き、植栽で自然に見せる努力を必要とした。総ヤーデージもティの部分的延長で130y伸び、7,107yになった。
プレーヤーの反応も良好で、年間45,000人と入場者数はすぐに回復し、増長傾向にあるという。

海津氏との一問一答

営業しながらのグリーン改造に困難は?

グリーンの部分的工事なので、簡単な防御ネットを張っただけで可能だった。問題はニュー・グリーンをいかにホールのセンターに置くように見せるかがカギで、どの方向に拡張するか、どのように削るかで工夫した。

全体の勾配は?

2%以下にした。

プレーが山場を迎えるところに名物ホールが必要?

12番(540y・パー5)と13番(379y・パー4)の2ホール。
12番ホールのグリーン周辺は左奥のベント・グリーンを改修し、右の高麗グリーンを撤去してアプローチ・エリアにした。第2IPからグリーンへの入口が2本のフェアウェイになる2ウェイにした。ツー・グリーン時代にグリーンをセパレートしていた雑木林を垂直なハザードとして少し残し、グリーン前に5個の花弁型バンカー群を置いた。
13番ホールは“距離の短いパー4ホール”の典型と考え、グリーン右手前に池を掘った。距離は短いけれどちょっと捻ったレイアウトにした。

フィニッシュ3ホールもドラマ上に大切では?

18番はフェアウェイを横切るクリークを走らせ、攻め方にバラエティを持たせている。ただ、グリーンへはやや登り勾配になるため、グリーンの位置や輪郭が見え難いので、グリーンフロント部分を手前に下げて、入口を見えるように工夫した。

上級者に厳しく、アベレージ・プレーヤーには心優しいグリーンになったという印象。

ゴルファーの中で大半はアベレージ・ゴルファーだから、彼らにゴルフの醍醐味を知らせたかった。

房総カントリークラブ

GCA JOURNAL No.14(2014年12月発行)より