改造・設計例Renovation Design examples
岐阜関カントリー倶楽部 東コース
所在地:岐阜県関市山田芳洞1691-1
Phone:0575-22-2424
コース:18holes、Par 72
開場日:1964年11月29日
設 計:上田 治 改造設計監修:川田 太三
1966年、18ホールを開場。その後36ホールとなる。
「元々、上田氏の設計ではワングリーンだった。ただ芝管理上グリーンの半分をベントとし半分をコーライにしたと聞いている。その別々の部分が数十年を経て小さな2つのグリーンに分離してしまったわけで、カップを切る位置にも困っていた。」(森支配人)工事は2005年に始まり、9ホール営業を続けながら行った。
まず10~13番、5~9番の9ホール、次に1~4番、14~18番にとりかかり、翌年には18ホール全てが完成した。
「メインはワングリーン化だったが、同時に時間が変えてしまった自然の変化とゴルフ事情の変化などにゴルフコースを対応させることだった。」(川田氏)250y付近のフェアウェイバンカーは、昔はトッププロがつかまったが、現在ではプロや上級者は軽々と超えていく。つかまるのはアベレージクラスのゴルファー達。「弱い者いじめ」のそしりをまぬがれない。
「フェアウェイバンカーを30y程、先に移して欲しいと要望した」(森支配人)
小さな2グリーンの統合だが、平均600㎡のグリーンをどこに置けばいいのか。原設計を参考にするため古い図面を何度も研究し、さらに風通しや日照にも配慮してグリーンの位置を決めた。
「東西南北を考慮し、風通しもポイントとした上でどこにグリーンを置くのがベストか。例えば北に向かうホールの場合、原則として右サイドには置きたくない。午後の日没までの紫外線は強烈でグリーンに熱がこもってしまう。こんな状態で水を撒けば根はうだってしまう。」(川田氏)
グリーンは大きくなり、大きなうねりをイメージしてしまうが、2段グリーンはわずか4ホール。少ないとも思えるが、川田氏は「この倶楽部はレベルの高い人が多く、もっと難しくして欲しいという声があった。全長7256yパー72でコース・レートが74.9。聞けばトーナメントを想定してのことらしい。トーナメントはたった1週間にすぎない。難しくするのであれば、トーナメント用のセッティングにすればいい。フェアウェイの幅、ラフの長さ、グリーンの速さ、等で調整できる。」
最も大きな変化は当初の1番ホールと18番ホールの入れ替え。元々1番はパー4、18番はパー5だったが、川田氏の理念として「フィニッシングホールはストロングパー4」という思いがある。ビックイベント開催を目指すには欠くことのできない要素と考えた。新しい18番のグリーンは元の1番ティを囲む観覧席の土手の間にスポッとおさめることができた。

No.16Hole
GCA JOURNAL No.14(2014年12月発行)より