日本ゴルフコース設計者協会
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改造・設計例Renovation Design examples

磯子カンツリークラブ

磯子㏄

所在地:神奈川県横浜市磯子区洋光台6-43-24

Phone:045-833-0641

コース:18holes

  • Aグリーン 6,607yards、Par36
  • Bグリーン 6,414yards、Par36

開場日:1957年11月9日

設 計:舘 粲児 改造設計:大久保 昌

磯子カンツリークラブの改造工事は、大久保昌氏のディレクションによって、1985年から約30年、細部に渡って、全体のバランスに留意しつつ、少しずつ進められてきた。
当時改造の依頼を受け、コースを見て最初に感じたのは、原設計者がデザインしたものを途中で止めてしまったイメージだった。地盤の関係で1955年頃の工事機械の能力ではやりきれなかった部分が多く見られた。依頼を受けた頃にはブルドーザーの性能も良くなっており、こうした積み残しの部分を整備することを考えた。

最初に手がけたのは激しいアップダウンの修正を主眼にした2番ホール(Par4)の改造だった。1989年11月に始まった改造は翌年7月までの工期。池とグリーンを中心とする大工事であった。それまでの池は狭く、倒木などもある汚いものであったが石積みの滝、植栽の改良などによって明るいイメージのホールに変貌した。
続いて4番パー3のティグラウンド周りの整備を行い、旧9番・18番ホールの入れ替えという大工事に進んでいく。旧9番・18番ホールの改造は、会員の高齢化という状況の中で、二つのホールの高低差を少なくし、なだらかなホールにすることが計画の趣旨。

もう一つの問題点は、本来なら9番ホールのグリーンから10番ホールのティグラウンドへスムーズな移動が望まれるが、旧18番と10番ホールが隣り合わせになっていたため、その間の移動距離が長くなっていた。9番と18番を入れ替えることでインのグリーンからアウトのティグウランドへ近くなり、同時に9番から10番、18番から1番ホールへ向かう際に導線が交差する問題も解消できた。
このほかにも、戦略性を高めるために、各ホールの改修を行った。

磯子カンツリークラブの改造工事は、大久保昌氏のディレクションによって、1985年から約30年、細部に渡って、全体のバランスに留意しつつ、少しずつ進められてきた。
当時改造の依頼を受け、コースを見て最初に感じたのは、原設計者がデザインしたものを途中で止めてしまったイメージだった。地盤の関係で1955年頃の工事機械の能力ではやりきれなかった部分が多く見られた。依頼を受けた頃にはブルドーザーの性能も良くなっており、こうした積み残しの部分を整備することを考えた。

最初に手がけたのは激しいアップダウンの修正を主眼にした2番ホール(Par4)の改造だった。1989年11月に始まった改造は翌年7月までの工期。池とグリーンを中心とする大工事であった。それまでの池は狭く、倒木などもある汚いものであったが石積みの滝、植栽の改良などによって明るいイメージのホールに変貌した。
続いて4番パー3のティグラウンド周りの整備を行い、旧9番・18番ホールの入れ替えという大工事に進んでいく。旧9番・18番ホールの改造は、会員の高齢化という状況の中で、二つのホールの高低差を少なくし、なだらかなホールにすることが計画の趣旨。

もう一つの問題点は、本来なら9番ホールのグリーンから10番ホールのティグラウンドへスムーズな移動が望まれるが、旧18番と10番ホールが隣り合わせになっていたため、その間の移動距離が長くなっていた。
9番と18番を入れ替えることでインのグリーンからアウトのティグウランドへ近くなり、同時に9番から10番、18番から1番ホールへ向かう際に導線が交差する問題も解消できた。
このほかにも、戦略性を高めるために、各ホールの改修を行った。

15H平面図 15H改修計画図 14H-15H改修計画図

最後に残った大改造が、懸案となっていた14番(Par4)と15番(Par5)の2ホールだった。17番(Par5)からのティーショットが15番ティグラウンドに打ち込まれやすい問題があったため、14番をPar5とし、15番をPar4とすることで安全面が改善され、戦略性も改良された2ホールとなった。
これを営業しながら改造工事を行うということで、改造前①のレイアウトから、二期工事では旧15番ホールにテンポラリーグリーンを設けて②のようにPar3ホールにし、その間に新15番ホールの改修工事を行い、改造後には③のような2ホールへと生まれ変わった。
営業を続けながらの改造工事は、臨時のテンポラリーグリーンなどの対策で進め、それにはメンバーの支持が必要であったことはいうまでもない。
「全体のコンセプトの中で、コース特性やクラブ側の要望を把握して改造の要点を絞り込む。設計において、ホールごとに関連性のない偏った考えや部分に特化することは意味が無い。また技量の差があっても、それぞれのプレーヤーが、ゲームを楽しめることも欠かすことのできない要件。ゴルフコースはこうした要件を満たしてこそ、高い総合的評価が保たれる。」というのが大久保昌氏の改造設計に対する持論である。

GCA JOURNAL No.28(2023年1月発行)より